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朗読

先日ご一緒した朗読家の春日玲さん

春日さんとの出会いは、”二十歳の原点”。

ちいさな古書店で見つけたこのチラシの裏に刻まれていた文章を読んだとき、まっすぐな衝撃を受けました。

 

― 私は慣らされる人間ではなく、創造する人間になりたい。

「高野悦子」自身になりたい。

テレビ、新聞、週刊誌、雑誌、あらゆるものが慣らされる人間ににしようとする。

私は、自分の意思で決定したことをやり、あらゆるものにぶつかって必死にもがき、

歌をうたい、下手でも絵をかき、

泣いたり、笑ったり、悲しんだりすることの出来る人間になりたい。―

                  

         高野悦子 「二十歳の原点」より

 

二十歳の原点は春日さんが15年以上も続けられている作品。

毎年6月に中央線沿いの喫茶店で行われています。

 

 

花の読みかた

 

大きな多摩川の河川敷を自転車でずっと先まで走りました。

途中ですれ違う人々も、子どもたちの遊び声も

夕日に映る小さな人影も、

この大きな流れが、すべてつつんで

水面にさきらめく夕焼けの光からは、音が聞こえそうで

 

さとうてつやさん著書の ”花の読みかた” のなかにあった

ある文章が、スッとよぎりました。

 

 

 

そのとき私の視線のさきにあったのは

この川が魅せた風景ではなく

この川が写していた、時間そのもの。

それぞれの今。

その奥に、自分の追い求める何かがあるような気がして

ただただ、ちいさく立ち尽くした

夕焼け時でした。

 

 

 

 

あたらしい日

雪の降るなか

今日は東京の片隅、私の育ったちいさな町で

修復ピアノコンサート。

朗読家の春日玲さんにお願いして、それぞれの曲の前に

ひとつ、詩を読んでもらい、

この最後の冬のときを、音と言葉で紡ぎました。

冬らしい曲を1曲演奏したいなと思って選んだ

ドビュッシーの ” 雪が踊っている ”

それに合わせて降ってくれたかのようなやわらかい雪。

きょうの雪と、ことばと音と、その空間を刻んだ時間が

聴いてくれひとの心に、そっと残りますように