花の読みかた

 

大きな多摩川の河川敷を自転車でずっと先まで走りました。

途中ですれ違う人々も、子どもたちの遊び声も

夕日に映る小さな人影も、

この大きな流れが、すべてつつんで

水面にさきらめく夕焼けの光からは、音が聞こえそうで

 

さとうてつやさん著書の ”花の読みかた” のなかにあった

ある文章が、スッとよぎりました。

 

 

 

そのとき私の視線のさきにあったのは

この川が魅せた風景ではなく

この川が写していた、時間そのもの。

それぞれの今。

その奥に、自分の追い求める何かがあるような気がして

ただただ、ちいさく立ち尽くした

夕焼け時でした。